無題 2005/07/15 22:41:09 (Fri)

ある平日の昼下がり（←今日）、府内某所ではちゃくちゃくと
来るべき者に備えて準備が進められていた

狭い部屋の中に、狭い間隔で並べられた机と椅子
机の上には、画用紙とサインペン、分厚い冊子

奥の部屋ではマットと平均台と、ステレオが用意されている・・・


今日はお受験生のお勉強を監督してました
まず最初に、部屋に入ったときの『挨拶』から、Checkは始まる
できなかったら減点

そう。今日はお受験間近の幼児たちの、模擬テストの日なのだ

挨拶に始まり、持ち物Check
名門私立小学校に入学を希望したと同時に
彼らには紳士淑女徹底養成コースが備えられるのだ
ハンカチ＆ティッシュの持ち物検査
加えて、爪のCheck
だらしなく伸びた爪は、本番の試験官に悪印象を与える
常に清潔に！気持ちよく！爽やかに！
コレが、お受験生の鉄則である

もちろん、本人たちが希望して受験を目指したわけではない
お母様方が目の色を変えてお受験街道を爆走しているのだ

試験は様々な科目が用意されており
面接官との質疑応答から始まって
お絵かき、音楽テスト（お遊戯込み）、体育、簡単な計算問題、聞き取り問題、簡単な国語問題など
そこにプラスアルファ『態度』と言うのも大きな評価項目としてある

この『態度』の評価が、またまたタマゲルのだ

相手は幼稚園児だ
一定時間、きっちり椅子に座っておくことは、どう頑張っても不可能である
それを、至極当然のように要求するわけだ

　・　立ち歩かない
　・　横の人を見ない（余所見をしない）
　・　指示があるまでは、手は膝の上
　・　喋らない
　・　積極的に取組む
　・　自発的な片付けがデキルかどうか

ナドナド、小学生でもナカナカに難しいであろうことを彼らに要求する
喋ろうもんなら、すぐさま注意され
立ち歩く前には用件を先生に伝え、許可がないと椅子から降りれず
手が膝の上に無く机の上とかにあろうもんなら、烈火の如く叱責が飛ぶ

また、挨拶にもビックリさせられる
まだ幼稚園児ながら、先生に挨拶するときには
椅子を降り、椅子を机の中にいれ、椅子の左後方に立ち
挨拶ののちに椅子を引き、座るときにもスマートに座るのだ

何処の幼稚園児が挨拶するときに椅子を机の中に入れて
お辞儀角度を守りつつ挨拶するだろう・・・

問題が解き終わったら「できました。」と申告するのにも驚いた

音楽のテストでは、いきなり先生（私）に呼び出されて
「好きな曲を元気よく歌ってください」「曲にあわせて工夫して踊ってください」
と言われて、スグに歌い踊りはじめなくてはいけない
どんな質問や問題が飛んできても恥ずかしがってる暇は無い
時間もきちんとCheckされているのだ
しかも、いかに元気よく堂々と歌えているかだけでなく
自分の順番を待っている間の態度までCheckされている

体育のテストでは、これまた動作スピードと、単純動作の回数を競わされる
制限時間内にある一定の課題がこなせないと
どれだけ努力していても、配点はゼロ

涙ぐもうが何だろうが、ココでこなせないなら本番の受験会場ではもっとできない

かく言う私も、『お受験』をした身だが
ここまで凄まじいプレッシャーは感じたことはなかった
そりゃ、ストレスも感じるだろう

なんだか、幼稚園児相手にしてるのに、幼稚園児に見えないんだよね
見た目は、すっごく綺麗な（ひらひらフリフリの）お洋服を着ているが
そういう服装を見ても「嗚呼。お母様方の間にある見えないバトルが・・・」と邪推してしまう

私の小学校受験のときって、もっと行き当たりばったりだったような気がするのだが・・・。