母上のこと 2004/06/22 16:59:34 (Tue)

ヘビーな話なので、苦手な方は読まないほうがよろしいと思います

我が母は実は弱っておるのです
私が大学1年生になってすぐ、右胸の乳癌が発見され
その年の6月末に手術、完全乳房切除で癌組織をごっそりと取り除きました
その後リンパ節に転移があることがわかったために
抗癌剤での治療が開始されたのでした

昨年の5月ごろ
どうも首が痛いと、母は整骨院でのリハビリを開始
と共に、抗癌剤治療を続けていた主治医の下で
2年目にして始めての血液検査と共に骨シンチを撮りました
結果、骨癌発症
後に新しい病院の検査によって肝臓にも転移していることがわかったのでした

肉腫となって現れた母の癌は急激に母から体力を奪い、強烈な痛みを与えたのでした
今の病院では信用ならないと新たな病院を探し始めたのですが
どこの病院も病状的には末期の母を受け入れてくれるような所は無く
当たっては砕ける病院探しが始まったのでした

ある日今お世話になっている、素敵な病院に出会って
母の最期の足掻きとも言える治療が始まったのでした

まずは痛みをとるためにモルヒネを使ってみて
同時に週に一回の強い抗癌剤の使用でした
抗癌剤は点滴と毎日の服用剤があり、強烈な副作用をもたらすものでした

髪の毛が抜けるのはもちろんのこと
爪がはがれ、足先、指先の変形と共に激痛が母を襲うようになり
家族として見守るのはとても辛いものでした

次第に抗癌剤が効いてきたのか体の痛みは消えモルヒネを使用することも無くなってきたのですが
指先へのダメージはさらに続くのでした
先生があまりの副作用に母の体力が持たないと判断して
服用剤の抗癌剤の停止を決められました
徐々に指先の痛みからも解放されています

抗癌剤治療が始まって半年ほど経ちました
一時は年を越せないといわれていたものが、今は家の中でコロコロ動けるほどになりました

ついこないだ2度目の骨シンチを撮ったのですが
結果は肉腫は消えておらず、今の治療で腫瘍マーカーが正常値に下がっても
肉腫のガン細胞が動き出す危険があるために
半永久的な抗癌剤の投与が決定いたしました

腫瘍マーカーさえ落ち着けば、しばらく抗癌剤投与から解放されると思っていただけに
半永久的にしんどい状態が続くとわかり
母はすこしへこんでいます
胸を失い、髪の毛を失い、生理もこなくなって女性として持っていたものを
全て落としてしまった母が、髪をもう一度欲する気持ちが私にはとても辛いです
抗癌剤をやめれば髪の毛は生えてくるけど
やめちゃったらまた再発するんだよ

頭でわかっていても、ストレートに答えを出せない心の問題です

また母とどっかにお出かけしたいなぁ、と思ったりする今日この頃だったりします